自動車補修用バッテリーターミナル for Professional

板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)

板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)
DJシリーズ / DJ-RBシリーズ

無酸素銅(OFC)・高導電性

鉛フリー・RoHS指令対応

高品質の MADE IN JAPAN

無酸素銅製の端子と独自開発ケーブルを共創させ、高い信頼性とハイパフォーマンスの両立を実現

トラックなどの大型車に使用されているバッテリー(鉛蓄電池)のパワーを各種電装品へ効率的かつ安定した電力供給を目的に、端子(ターミナル)には99.96%以上の高純度かつ高導電性を兼ね備えた「無酸素銅(OFC)」を素材として採用。また、バッテリー(鉛蓄電池)同士をジョイントさせるケーブルは2年にわたる試行錯誤の果てにたどり着いた独自の導体構成と被覆材で構成されたHEROオリジナルのバッテリーケーブルに、ヒーロー電機の厳格な基準を満たすため日本国内で製造された比類なきバッテリー用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)。

ここ近年、大型車に搭載されるエンジンやブレーキシステムは電子制御化が進んでおりますが、この進化に伴い微弱な電力がますます重要視されるようになりました。また、同時に大型車特有の激しい振動が常に伴う過酷な環境下での使用に耐えうる「性能」と「機能」の両立が求められる傾向が強まっております。

ヒーロー電機のバッテリー用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)は、熟達した匠による独自のプレス技術をベースに高導電性に優れた無酸素銅(OFC)製のターミナル、HEROオリジナルバッテリーケーブルのそれぞれが織りなす素材のハーモニーにより、製品自体の高い信頼性とハイパフォーマンスの両立を確保しております。

渡り線とは

トラックなどの大型車は通常大きなディーゼルエンジンを採用しておりますが、エンジン始動に関わる重要な部品となるセルモーターは一般の乗用車より大きいため、モーターを稼働させるには大きな電力が必要となります。そのため、大型車に搭載されるバッテリーは一般的な乗用車用のバッテリー(12V)を2個直列で繋ぎ、電圧を24Vにして使用します。

その際、2個のバッテリーを繋ぐ(ジョイントする)ためのケーブルが必要となります。そのケーブルをヒーロー電機では渡り線と呼んでおりますが、そのほかバッテリー連結線やジョイントケーブル、バッテリー中間コード、中間ケーブルなどの名称で呼ばれることもあります。

安心・信頼の証「MADE IN JAPAN」

ヒーロー電機が創立以来 半世紀以上にわたり築き上げた数々の知見やノウハウを設計段階より随所に反映させると共に、日本国内の生産施設で革新的な技術と徹底した万全の品質管理体制下での製造を行うことにより、製品自体の極めて高い精度と信頼性を実現。

大ポール(Dタイプ端子)+極用
大ポール(Dタイプ端子)-極用

プロユース向け製品として「品質」ならびに「耐久性」の両立という至上命題に応えるべく、全製品ともに「自社設計開発」を実施。

本体素材には不純物を極限にまで取り除いた「無酸素銅(OFC)」を採用

板タイプバッテリーターミナルの本体素材には、酸化物を含まない一般的な銅に比べて高純度、且つ高い導電性を兼ね備え、電子機器や電線などに広く採用されている「無酸素銅(OFC)」を自動車補修用バッテリーターミナルとして業界初採用。

※画像はイメージです。
※素地(メッキ無し)の状態では販売しておりません。

無酸素銅(Oxygen Free Copper)とは

無酸素銅(JIS H 3100, C1020)
純度99.96%以上の高純度な銅

無酸素銅は、他の元素や不純物・酸素を極限まで取り除いた純粋な銅となり、一般的な銅に比べて純度が非常に高くなっております。

高い導電性

無酸素銅は、高い電気伝導性を持ち、電子機器や電線、導体などの製造に広く使用されております。高い電気伝導性は、電気信号を効率的に伝えることができます。

■板タイプバッテリーターミナルで採用している無酸素銅の種類・等級・種類の記号
名称 種類 等級a) 種類の記号 特色及び用途例
(参考)
合金番号 形状
無酸素銅 C1020 普通級 C1020Rb) 導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ,溶接性・
耐食性・耐候性がよい。還元性雰囲気中で高温に加熱し
ても水素ぜい化を起こすおそれがない。
電気用,化学工業用などに用いる。

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

[注記]
b) 導電用として使用する板及び条は,種類の記号のP,PS,R 又はRS の後にC を付ける。

■ 無酸素銅(合金番号:C1020)の化学成分
合金番号 化学成分(%)

Cu

Pb

Fe
スズ
Sn
亜鉛
Zn
アルミニウム
Al
マンガン
Mn
ニッケル
Ni
リン
P
ジルコニウム
Zr
C 102099.96 以上

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

■ 板タイプバッテリーターミナルで採用している無酸素銅の機械的性質
合金
番号
質別 製品記号 引張試験 曲げ試験a) 硬さ試験a)(参考)
厚さの区分

mm
引張強さb)

N/mm2
伸びb)

厚さの
区分
mm
曲げ
角度e)
内側
半径e)
厚さの
区分
mm
ピッカース
硬さb)
HV
C1020 ½H C 1020
P-½Hd)
C 1020
PS-½Hd)
0.10以上 0.15未満 235~315 0.10 以上 2.0 以下 180° 厚さの1倍 0.20 以上 20 以下 75~120e)
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 20以下 245~315 15以上
C 1020
R-½Hd)
C 1020
RS-½Hd)
0.10以上 0.15未満 235~315 0.20 以上
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 4.0以下 245~315 15以上 4.0 以下

(引用文献):日本工業規格 JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

[注記]
a) 曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは,試験を適用しない。
b) 数値は,整数値に丸める。
d) 導電用の板及び条にも適用する。
e) 最小試験力は,1.961 N とする。

参考資料1 補修用のバッテリー用連結ケーブル端子素材として採用される素材の導電性 比較一覧
比較素材無酸素銅(OFC)
(当社製品採用素材)
素材導電率(IACS)101%9%

※1. IACSとは電気抵抗の基準として国際的に採用された焼鈍(アニール処理された)標準軟銅のことで、導電率100%IACSと規定されています。
※2. 上記数値は一般参考値(目安)であり、絶対値(保証値)ではありません。
  (引用文献):大沢直.図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み.秀和システム、2010、 p.106、(秀和システム).

【ポイント】イラスト図解でひと目でわかる導電率

「導電率」 は 〈 道幅 〉 で例えることができ、車同様にスムーズな流れの方がより高効率です。

再生可能エネルギー発電、電気自動車などをはじめとした、持続可能な脱炭素社会の実現をさせるための重要な素材となる「銅」

■再生可能エネルギー発電
銅は再生可能エネルギー発電システムにおいて重要な素材です。太陽光発電や風力発電などの設備には大量の銅配線が必要であり、電気を効率的に伝導する性質が重要です。銅の高い導電性と耐久性は、再生可能エネルギー発電の効率と持続可能性を高める役割を果たします。

■電気自動車と充電インフラ
銅は電気自動車(EV)の製造においても欠かせない素材です。EVのモーターやバッテリー、充電インフラには大量の銅が必要とされます。高い導電性と耐久性により、銅はEVの性能と効率性を向上させる役割を果たします。

■電子機器
銅は電子機器の製造においても重要な素材です。コンピューター、スマートフォン、テレビなどの電子機器には銅配線が使用されています。また、銅は熱を効率的に伝導するため、電子機器の冷却材としても利用されます。高性能な電子機器が脱炭素社会においてますます重要となる中、銅はその需要の一部を支える役割を果たします。

表面には素材自体の酸化防止を目的としてスズメッキ処理を採用

素材の無酸素銅(OFC)のままでは表面の酸化により優れた導電性が損なわれてしまうため、接触抵抗が低く長期的に安定したスズメッキ処理を表面処理に採用。スズメッキは多くの電気機器部品に用いられ、メッキを施すことで外気を遮断して素材を守り安定した導電性と耐食性を両立させます。

スズメッキ処理実施前
スズメッキ処理実施後

パフォーマンス性能を最大限に発揮させることに主眼を置いた製品開発

大型車の苛酷な使用環境下において、板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)としての信頼性と堅牢性の両立を至上命題とすべく、素材自体の肉厚化ならびに製品本体への切り込みや割れ目のないスリットレス構造を基本仕様とすると共に、ヒーロー電機がこれまで培ってきた技術やノウハウを設計段階より反映させ、自社製品開発を実施。

開発コンセプト開発コンセプトの背景(理由)
素材の肉厚化
  1. 構造の強化
    肉厚化により銅の強度が向上。銅は比較的柔らかい素材となる為、肉厚化によって剛性や耐久性を高めることが可能。
  2. 電気伝導性の向上
    無酸素銅は優れた導電性を兼ね備えておりますが、肉厚化に伴う銅の体積が増えることで、電気信号や電力の伝送効率が向上。
スリットレス構造
  1. 強度と耐久性の向上
    スリット(切り込みや割れ目)がないため、製品自体の強度と耐久性が向上。
  2. 製品本体破壊のリスクを低減
    スリットレス構造にすることで亀裂や割れのリスクを低減させ、接触不良や電圧低下などのトラブルを回避。

板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル) 肉厚検証

電線サイズ 極性 肉厚
30.00cm2 (+)極 1.8 mm
(-)極 1.8 mm
40.00cm2 (+)極 1.8 mm
(-)極 1.8 mm
60.00cm2 (+)極 2.0 mm
(-)極 2.0 mm

(※寸法公差:±0.1 mm)

【参考】スリット入りバッテリーターミナル 実使用例検証

スリット(切り込みや割れ目)は物体や構造物の強度が低下する場合があり、外部からの力や負荷がスリットにかかると、その部分が弱くなり、ひび割れや破壊が生じる可能性が高くなります。

なお、自動車から発生する振動などによって亀裂が入ったスリット入りバッテリーターミナルは、「接触不良」や「接触抵抗」の増加などによる電圧低下によって、予期せぬ車両トラブルを引き起こす懸念があります。

(※注)左記画像はスリット入りバッテリーターミナル単体製品

JIS規格に基づく「振動試験」の検証(試験材料:DCPL)

【振動試験機全体像】

気候変動や生物多様性の保全などを考慮し、環境に配慮した“ものづくり”を積極推進

地球環境の保全に配慮した”ものづくり”を重視しており、その一環として自動車補修用バッテリーターミナルでは鉛、水銀、カドミウムなどの有害物質を一切使用しないRoHS2指令に対応した板タイプバッテリーターミナルを業界に先駆けて30数年前に開発。ヒーロー電機は、RoHS2指令に従い地球環境の保全に貢献する製品の提供を通じ、持続可能な未来の実現に向け更なる積極的な取り組みを行ってまいります。

RoHS2(Restriction of Hazardous Substances Directive)指令は、電気・電子機器およびそれらの部品における特定の有害物質の使用を制限するための欧州連合(EU)の指令です。RoHS2指令は、環境および人体への有害な影響を軽減することを目的としています。

RoHS2指令の対象物質は以下の10種類です。

  1. 鉛(Lead)
  2. 水銀(Mercury)
  3. カドミウム(Cadmium)
  4. 六価クロム(Hexavalent Chromium)
  5. ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated Biphenyls、PBBs)
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated Diphenyl Ethers、PBDEs)
  7. フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate、DIBP)
  8. フタル酸ジ-n-ブチル (Dibutyl phthalate、DBP)
  9. フタル酸ブチルベンジル (Butyl benzyl phthalate、BBP)
  10. フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (Bis(2-ethylhexyl) phthalate、DEHP)

これらの物質は環境への悪影響があると認識されており、特に廃棄物処理時に有害物質が漏れ出すことで土壌や水源に浸透し、生態系や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)を使用する際のワンポイントアドバイス

大型トラックなどの厳しい環境で活躍する車両に搭載されるバッテリー(鉛蓄電池)は、車両走行時などに発生する激しい振動に晒されるため、常に高い性能と耐久性が求められます。特に、大型車に装着される渡り線(バッテリー連結ケーブル)は、その信頼性の高さが何よりも不可欠です。ヒーロー電機の板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)は、熟達した匠が織りなす独自のプレス技術により、製品自体の堅牢さと高い信頼性を確保しています。

板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)製品圧着部分の断面形状検証

板タイプトラック用渡り線
(ターミナル側)
板タイプトラック用渡り線
(電線側)

バッテリーターミナルおよび電線を<より確実>なプレス圧着加工を施すことにより、過酷な環境下でも本来のバッテリー性能を如何なく発揮させることが出来ます。

【参考】板タイプトラック用渡り線 電線圧着部の引張り強度検証

■JIS規格名称:銅線用圧着端子

芯線サイズ(mm2 圧着部引張強度
JIS規格規定値(kgf)
14.00 mm2 140.0 kgf
22.00 mm2 180.0 kgf
38.00 mm2 260.0 kgf
60.00 mm2 330.0 kgf

■板タイプトラック用渡り線 製品スペック一覧

品番 芯線サイズ(mm2 圧着部引張強度
JIS規格規定値(kgf)
DJ-33 30.00 mm2 278.3 kgf
DJ-34 40.00 mm2 295.4 kgf
DJ-36 60.00 mm2 459.0 kgf

試験場所:ヒーロー電機株式会社 品質管理試験室
※上記数値は参考値(目安)であり、絶対値(保証値)ではありません。

※ 板タイプトラック用渡り線(バッテリー用連結ケーブル)に採用している端子は「オープンタイプ」仕様。JIS規格で定める銅線用圧着ターミナル(端子)は「クローズドタイプ」仕様につき、上記実績値は参考値となります。

ヒーロー電機の技術と知見を結集し、苦難の末に製品化した渡り線専用ソフトAV線

ヒーロー電機が掲げる経営理念 「独創性を重視した製品開発と、高品質を徹底的に追及した”ものづくり”を通じ、豊かなカーライフの創造に貢献します」に基づき、従来までの業界常識として極めて困難と思われていた無酸素銅をターミナル素材として採用したバッテリー用渡り線(バッテリー用連結ケーブル) の量産製品化に向けて、決して諦めることなく打ち破っていく、飽くなき挑戦の歴史を紐解きます。

■ 開発に先立ち

2004年、環境への配慮から、当社はトラック用渡り線の端子の素材を鉛から無酸素銅(OFC)に変更しました。これにより、地球環境への配慮だけでなく、ターミナル部分の性能向上も果たしました。
しかし、「もっと曲げやすいケーブルが欲しい」、「冬場(特に寒冷地)になると硬くなり曲げにくくなる」といった一切の妥協を許さない現場のプロフェッショナルより寄せられる声もあり、バッテリーケーブルの開発にも着手しました。

■ 技術の共同開発

製品の使い易さを徹底的に追求し、ケーブルメーカーと2年間にわたる共同開発を行いました。目標は、寒冷地・厳寒期でも柔軟性と性能において従来の製品を凌駕するバッテリーケーブルを作り出すことでした。しかし開発には試行錯誤の連続で苦難な道のりとなりました。

■ 革新的な成果

試行錯誤の果てにたどり着いた独自の導体構成と被覆材の採用により、HEROオリジナルのバッテリーケーブルを作り出すことに成功しました。独特な柔軟性と卓越した性能で、寒冷地での使用にも最適な製品となりました。このバッテリーケーブルを使用したトラック用渡り線は、環境への配慮とあらゆる場面での使い易さを両立させた画期的な製品となりました。

製品ラインナップ ※品番から製品詳細ページをご覧いただけます
写真 品番 規格・仕様 材質
芯線サイズ (mm2 ポール間長さ (mm2 電線 ターミナル
DJ-23 30.00 200 ソフトAV線(HEROオリジナル仕様) 無酸素銅(OFC)板タイプ仕様
DJ-33 30.00 300
DJ-34 40.00 300
DJ-26 60.00 200
DJ-36 60.00 300
DJ-34RB(カバー付) 40.00 300
DJ-36RB(カバー付) 60.00 300
製品使用例
ターミナル取付時には必ず装着するバッテリーのポール部に異常がないかご確認ください。また、バッテリー液には必ず触れぬようお願いします。